2017年03月14日

ゼファー750のシリンダーヘッド、シリンダーを外してみよう 分解編

腰上オーバーホールも終わりましたので、エンジンのシリンダーヘッドとシリンダーを外していく手順を簡単に記事にしてみました。 いわゆる腰上って言われるものです

エンジン腰上とは、ここら辺になりす
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シリンダーヘッドはミッ○ーマ○スの耳のようなところです(エンジンによって外見は変わります)
直前の設定_2016_12_25_092117い.jpg

この中にはカムシャフト、バルブなどが入っています
中身はこんな感じになります
DSCN4389_R.JPG



つづいてシリンダー
直前の設定_2016_12_25_092117いう.jpg

中にはピストンが入っています
DSCN5589_R.JPG

この二つを腰上と言って、下のクランクケース側を腰下といいます 今回は腰上を取り外していきます



〜腰上取り外し編〜

*注 素人作業ですので参考程度にしていただけると幸いです


用意するもの

〜工具各種〜
・8、10、12、14、17mmのソケットのコマ&スパナ ディープタイプもあるとよいでしょう
・レンチ(普通サイズの長さとロングがあるとよいでしょう)
・トルクレンチ(5-60N.mで締めれるもの エンジンですのでメーカー品をオススメします)
・エクステンションバー
・プラハン&鉄ハンマー
・シックネスゲージ
・マイクロメーター
・精密ドライバー
・磁石付きのピックアップツール
・口が細いプライヤー
・自作ピストンリングコンプレッサー (なくても大丈夫ですがあると便利です)
・丁度良い木材 (なくても大丈夫ですがシリンダーにピストンを挿入する際に便利です)
・ガスケット剥ぐもの (僕はカッターナイフの刃で代用)
・オイルストーン (どうしてもガスケットの残りが剥げないときに使います)


〜ケミカル品〜
・液体ガスケット
・浸透剤(ワコーズ ラスペネなど)
・ワコーズASP(代用できる二硫化モリブデングリースなど)
・エンジンオイル
・ワコーズ リムーバー (ヘッドの洗浄をするなら必要です 同等のものでも可)
・メタルクリーンα (ヘッドの洗浄をするなら必要です 同等のものでも可)


〜各種ガスケット〜
・11004-1342 シリンダーヘッドガスケット 4,622円
・92055-1256 インシュレーターのOリング 518円 4個
・11060-1995 ヘッドカバーガスケット 3715円
・92055-1147 リング(0),シリンダ オイル ライン ピン 378円 2個
・11060-1898 ガスケツト,シリンダ ベ-ス 1296円
・92036-005 サ-クリツプ,ピストン ピン 97円 8個
・92055-1583 リング(0),テンシヨナ 162円
・670D2010 テンショナーキャップOリング 205円
・11009-1866 ガスケツト,エキゾーストパイプ 302円 4個

上記の物が分解時に必要最低限の部品のリストになります

ここから下の部品は場合によっては必要なものになります

・92049-016 バルブステムシール 713円 8個 オイル下がりしている場合は交換必須 ここまでバラしたのなら交換することでオイル下がりの予防になりますので交換することをおすすめします

・92025/A〜X 各サイズのタペットのシム 464円
ついでにタペットクリアランスも調整すると一石二鳥です

・13008-1195 ピストンリング 3845円 4個 (STDサイズ その他オーバーサイズも設定有り)
折角エンジンを開けたのでしたら交換もアリですね! エンジン状態によってはオーバーサイズピストンを入れることになります

.各種ピストン 5389円 (STDサイズ、0.50mm、1.00mmの設定があります)
ピストン交換となると必要になってきます


作業開始

と、いきたいところですがエンジン周りに走行時に巻き上げた砂や小石が溜まっていますので事前に洗浄してできる限り取り払っておくとよいでしょう
水で洗い流しブラシやエアダスターでできる限り取り除きます

洗浄なしで外すと高確率でゴミがクランクケースに落ちますので

参考までにこれくらい小石や砂が溜まっています
DSCN4978_R.JPG

洗浄が終わったら作業に取り掛かります

まず、燃料タンクを外します。 こちらの作業は以前に記事にしていますので下記をリンクして下さい

“ ゼファー750の燃料タンクを外してみよう “

次にイグニッションコイルを外します

“ ゼファー750のイグニッションコイルを外してみよう ”

2001年式以降のゼファーにはヘッド周りに二次エア供給装置がありますので、これを取り外します

” ゼファー750の二次エア供給装置を外してみよう ”

キャブレターを外します

“ ゼファー750のキャブレターを外してみよう ”

マフラーも外します(純正マフラーの外し方になっていますが、作業は同じです)

“ ゼファー750のマフラーを外してみよう(純正マフラー) ”


ここまできますとエンジン周りは随分とスッキリしていると思います
スッキリしたエンジン回り 
DSCN5655_R.JPG

それではヘッドカバーを外していきます
8mmのボルト20箇所と六角ボルト(5mm)4箇所で止められています

左側
DSCN4927_R.JPG

右側
DSCN4928_R.JPG

二次エア供給装置の奥側、2箇所(画像黄色字)の8mmのボルトはエンジンに止まっていないので、外さなくてもヘッドカバーは外れます。1999年より前のゼファーにはありませんので、気にせずに進めましょう

ヘッドカバーのボルトが外れましたら、ヘッドカバーの角をプラハンマー等で小突いてカバーを外しやすくします
DSCN4386_R.JPG

あとは、ヘッドカバーをはぐって...
DSCN4388_R.JPG

シリンダーヘッド内部と、ご対面 内部にゴミなどを落とさにようにしましょう
DSCN4389_R.JPG

それとヘッドにガスケットが張り付いていますので取り外します

今度はカムシャフトを取り外して行くのですが、その前にタペットクリアランスを測定しておきますと後々調整の手間が省けます。とくにタペットクリアランスを調整しない時はスルーでもOKです
ですが、ここまで作業するのでしたらタペットクリアランス見ておくのが無難です

タペットクリアランスの測定はこちら

“ ゼファー750のバルブクリアランス測定&調整(タペット調整)をしてみよう バルブクリアランス測定編 ”


さてタペットクリアランスを測定しましたらカムシャフトを取り外します

まずカムチェーンのテンションを緩めるためチェーンテンショナーを取り外します

DSCN3079_R-07d16.JPG

*注 上の画像は前の記事のものを使っていますのでキャブレターは付いている状態になっています

先にAのボルトを10mmのレンチで緩めます Aのボルトは緩めるだけで外さなくても大丈夫です
続いてBのボルト8mm二箇所をを外してテンショナーをエンジンから外します このBのボルトはスペースの関係で外すのに時間がかかりますが、気長に外しましょう

外れたテンショナー
DSCN3082_R.JPG

*注 ちなみにテンショナーを外したり緩めた時はクランクシャフト(エンジンスタート)を回すのは厳禁です! テンショナーを緩めたり外したりしますと、カムチェーンが伸びる状態 or 張りきった状態になるりその状態でエンジンを回転させますとエンジンの重大な故障につながります・・・

次はカムシャフトを抑えているカムシャフトキャップを取り外します 
これは10mmのボルトで止まっていて計8個のキャップがあります

1.2番シリンダー側
DSCN4419_R1.jpg

3.4番シリンダー側
DSCN4415_R1.jpg

キャップを外すと各キャップの下にノックピンが入っています。ヘッドを散り外す際に外れてエンジン内部へ落としてしまうと厄介ですので事前に外しておきましょう
DSCN4424_R.JPG

カムシャフトキャップを外したら二本のカムシャフトを取り外します
DSCN4426_R.JPG

カムシャフトを外しますとカムチェーンがフリーになってしまいクランクケースに落ちてしまうので、長い棒でも差し込んでおきましょう
DSCN4944_R.JPG

ヘッドを取り外す前にオイルクーラーのボルトナット3箇所を外すとオイルクーラーがフリー状態になるので作業スペースの確保ができます

続いてヘッドを固定しているヘッドナット(14mm)12箇所を取り外します
ヘッド左側
DSCN4950_R.JPG

ヘッド右側
DSCN4946_R.JPG

このナットは固く締まっていると思いますので、柄が長いロングレンチを使うか単管パイプで延長すると作業がし易いです

エンジンの中にもボルトが2箇所あるので取り外します(14mm)
排気側
DSCN4948_R.JPG

吸気側
DSCN4947_R.JPG

こちらのボルトは奥に入っていますのでエクステンションバーでソケットとレンチの距離を延長するとよいでしょう
外したボルトをクランクケースに落とさにようにしましょう

これでヘッドを止めているボルトナットは外れましたのでヘッドを外していきます
あとでピックアップツールで拾い上げますのでカムチェーンはクランクケースに落としても大丈夫です。

ヘッドはシリンダーにくっ付いていますのでヘッドの四隅を布で当てながら大きなハンマーでコツコツと優しく叩いてあげます
DSCN4951_R.JPG

そうしますと徐々にヘッドが浮いてきますので慎重にエンジンから取り外します。ヘッドはとても重たいので落とさにようにしましょう

取り外したシリンダーヘッド
DSCN4954_R.JPG

ヘッドが外れるとピストンが顔を見せます
DSCN4952_R.JPG

シリンダーの左右の端を見ますとオリフィスとOリングがあるので取り外します
DSCN4958_R.JPG

シリンダーにメタルガスケットがありますので取り外します
DSCN4967_R.JPG

シリンダー左右の端に大きなノックピンが2つあるので、これも外します
DSCN4969_R.JPG

フロント側にカムチェーンのガイドが刺さっていますので抜き取ります
DSCN4977_R.JPG

それではシリンダーを外していきますヨ!

こちらもシリンダーがクランクケースに張り付いているので、この箇所に丁度良い棒を差し込みテコの原理でコネって行きますとシリンダーが浮いてきます
DSCN4970_R.JPG

ちなみに棒を掛ける箇所によってはフィンが破損してしまいます。ですのでフィンとフィンの間に縦にまたフィンがある箇所あるので、そこを支点にしてコネっていきます
DSCN4972_R.JPG

DSCN4971_R.JPG

シリンダーが浮いてきたら上へと引き抜きます
DSCN4974_R.JPG

取り外したシリンダー
DSCN4996_R.JPG

取り外す際にシリンダーに潜んでいる砂や小石が多少ながらクランクケースに落ちてしまうので、最初に書いたようにエンジン周りの洗浄はとても必要だと感じます
これは洗浄をしていないときですが結構ありますね 汗
DSCN4978_R.JPG

落ちてしまった小石や砂はクランクケースを割らないと全て取り除くことはできませんが、オイルパンを外してクランクケース側から熱したオイルをポンプなどを使い勢いよく流しかけると、いい感じに砂や小石は取り除けますが、これはあとでします

先ほど落としたカムチェーンを拾い上げタイラップなどで吊るしておきます
DSCN4979_R.JPG

吸気側にカムチェーンテンショナーガイドがあるので外します
DSCN5299_R.JPG

このガイドの取り付けロッドの両端には樹脂製のブロックがあるのですが、このガイドは接着剤で付いているだけなのでガイド取り外しの際にクランクケースに落とさないようにしましょう
DSCN5300_R.JPG

それでは最後にピストンをコンロッドから取り外します
ピストン側面を見ますとC字のスナップリングがありますので、これを外します
DSCN4983_R1.jpg

スナップリングは取り外す時に勢いよく飛んでいってしまう時があるので、クランクケースに布を入れておきスナップリングがクランクケースに落ちないようにします

スナップリングの取り外しは上画像の溝に精密ドライバーのマイナスを入れて慎重にスナップリングの端を外側に持っていき
DSCN4989_R.JPG

最後に口の細いプライヤーで取り外します
DSCN4993_R.JPG

スナップリングを外したら中のピストンピンを押し出してピストンを外しましょう
DSCN4984_R.JPG

取り外したピストン
DSCN5023_R.JPG

これにて分解作業はおしまいです
組立編に続く



〜おまけ〜

外したピストンを観察して側面のスカート部やピストントップ、ピストンリングに異常な汚れ摩耗や破損があるかチェックします

これはかじりが酷かった3番シリンダーのピストンです
DSCN5031_R.JPG

ピストン自体に大きな傷は入っていませんが、オイルが上がっていたのとシリンダーにかじりがあったこともありスカート部にガスが吹き抜けたような茶色い染みがあります
リング側面も機密が保てずオイルリングまでデポジットが溜まっているのが見えます

こちらは正常なシリンダーのピストンです
DSCN5033_R.JPG

見て思うのですが殆どデポジットがありません
ピストントップ側面だけ色が違うのはメーカーのコーティング処理がされているからです

この状態で1000kmほど走っていましたが寒冷時に白煙が出るいがいでエンジンパフォーマンスには異常前より違いはわかりませんでした。強いて言えば重いギヤで2500回転以下でアクセルを開けると一瞬だけグズる症状があったことでしょうか

これは油膜切れをお越して焼き付きを起こしたJazz50のピストンです
DSCN0490_R.JPG

ここまで損傷があるとエンジンからもカンカンと異音が出ますので、ピストン交換後、シリンダーも状態によってホーニング再利用になりますが、カブ系のボアアップキットはメーカー問わなければお手頃価格で入手できますのでシリンダー、ピストン総交換になりました

これが気筒数が多いバイクになってきますと、部品の値段も恐ろしい金額になります 汗
ですので、この機会に社外のボアアップピストン組みチューンナップするのも方もいらっしゃいます

僕はもボアアップを考えましたが経済的に厳しい時期だったので純正オーバーサイズで修理することにしました

下の画像はゼファーで転倒したままエンジンが掛かった状態で少しの間動いた結果、油膜が切れてしまいシリンダーにかじりが出来てしまったものです
DSCN5006_R.JPG

普通ならこれくらいで油膜切れは起きないと思いますが、この時は峠を数本エンジンを休めることなく走ったこともあり油膜が切れてしまったのではと推測します

かじりの箇所は一番熱がこもりやすい2.3番シリンダーでした

ピストンクリアランスが大きい寒冷時にはオイルがそこから上がってしまい白煙原因になっていたのです


正常なシリンダーは何も傷がありません(下の線が無数に入っている箇所は油膜を保持するクロスハッチです)
DSCN5002_R.JPG

正常な箇所でも5万キロも走ると側面のクロスハッチは殆ど無くなっていました

先ほどのかじった箇所を手で触るとザラザラとしていて段差があるのが分かりました。ここまで来るとシリンダーのダメージ箇所を削るボーリング&ホーニングを行いワンサイズ大きいピストンを入れて修理します

ボーリング&ホーニングは自分ではできないので内燃機屋さんにお願いすることになるのが大半だと思います
僕は1.00mmオーバーサイズ、4箇所で4万後半ほどでした
それにピストンとリングを合わせるとさらに3万オーバー それにガスケットやオイルやら・・・ たぶんエンジンの腰上オーバーホールで合計10万円近くしたと思います orz


posted by marchyoo at 08:00| 新潟 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ゼファー750の整備&メンテナンス記録簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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