僕にしては珍しく早朝4時に起床し相棒のジェベルに荷物を乗せ朝日がやんわりと差し込む静寂に包まれた住宅街を後にした。 国道17号線を南下し小千谷で国道117号線へと進路をとる。
ただ早朝は風が冷たく長時間乗っていると冷たい走行風で体が冷え、股や肩などが辛くなってきてしまい長野県をまたいですぐにある道の駅で休憩 名前はたしか「信越さかえ」だったと記憶している
ここで少し冷え切って硬くなってしまった体を少し動かし心なしかのウオーミングアップ 自動販売機の暖かい缶コーヒーをすすりながら、ツーリングまっぷるで目的地へのルートを確認
ルート確認中に冷めてしまた缶コーヒーを飲み終え僕は飯山へと向かうのでった
だけど通勤、遊学で混雑が予想される飯山市街 渋滞にはまるのはどうも気が向かないので、ここは国道403号線を使い中野市までワープ ただ、この国道403号線は山道ともあり道幅もとても狭く路面も良いとは言えないのでオンロードバイクで通るには少し注意が必要かも知れない。中野市に入ると今度はローカルな県道を駆使して高山村→須坂市へと抜ける
そして目的地へ繋がる道へと出たので、タンクバックに忍ばせていたツーリングまっぷるを見てみる。見ていると、どの道を使い目的地へと向かうのかの選択が出てきた 言うなれば「確実に安全に通行できる道」 対するは「途中で引き返しヒィヒィ言いながら引き返すかも知れない道」 さらに言うなればオンロード or オフロードなのだ
僕は数秒間悩んだがここは 「途中で引き返しヒィヒィ言いながら引き返すかも知れない道」 をチョイス。やっぱり冒険したいもんね!
そして、目的地へと繋がる(つながると思われる...)林道へ 名前は湯沢線だったと記憶している。
林道入り始めは木々が生い茂り薄暗いのだけど、しばらく走ると視界が開け景観の見渡しが良くなってきた。道としては浮き砂利ダートで、ところどころ大きめな石や窪みがある。僕は市街から入ったので緩い登りを上がってゆく。ストレートも区間的にはあるのだけど、カーブのほうが多いなぁと言うのが印象だ
急カーブが多数あるのでストレートでスピードを出しすぎていると確実に怖い目に遭う可能性は多いにある。 あと、崖伝いに道があるので景色はとても綺麗だけど、ガードレールやフェンスはないので注意が必要だ。僕自身も久しぶりの林道ともあり、なかなか思い描いた走りができずにモヤモヤ気味だったが、高原地帯へと繋がる道ともあり景色は素晴らしくそんなことは吹き飛んでしまった
遠くには妙高? 北アルプス?の山々が見える 美しい...
道も標高を稼いで行くと高地特有の開けた景観になり開放感は抜群に
この湯沢線の中で一番展望が開けていたところ
そして終点へ この湯沢線は景色は文句なしの絶景林道でした。 空が高く高地の景観、眼下に広がる景色... もう一度は訪れたい林道です
そして目的地に到着
今回の目的地は毛無峠に到着
よく秘境・グンマーのネタで取り上げられる県境の看板
近くにはバイクのカウルの破片
無茶しやがって……
山には索道の支柱
こうゆう使われなくなった昔の構造物には惹かれる何かがありますねぇ...
本来ならこのネタで使われている群馬県の県境で引き返す予定でしたが、この先にある鉱山跡のことを想像してしまうとどうも行かずには帰れない...
少しだけなら... こんな気持ちで調査を開始
ちなみに鉱山跡地へ向かうダートはカーブが九十九折になっています
ふと山を見上げると先ほどの索道が目に入る
山にぽつんと取り残された索道 これはこれでなかなかない景色だけど索道の存在感がすごいです。
で、この九十九折のカーブ(ジロー坂というらしい)を抜けると開けた場所になり近くに御堂があります。
その脇にある変電所跡
長年の風化で今にも崩れそうだ
変電所の巨大な碍子って子供の頃夢中になって見ていたのは僕だけではないはず!!
内部は得に何もないように見えるが...
奥に往くと、ひっそりとここの主がお出迎え
もう下がることのないレバーたち
ここの主の裏側は意外とスリム
このような計器はなにか惹かれるものがあります
電圧計 これはシンプル
丸い縁に洒落た針がこの子のポイント ただなんの数値を計る計器なのかはわからなかった
電力計 これまたいい味が出ています ここまで行くと美しさを感じます
渦電流継電器 破損していても魅惑は失わない かえって魅惑増し?
この子は本来の形をとどめていた
積算電力計 Simple is Best!!
ここでの楽しいひと時はひとまず終わりにして鉱山跡へ
ちなみにここら辺一体は崩れやすい地質らしく路面状況は細かな砂利がフワフワとした浮き気味なので油断するとバランスを失う可能性大ですので注意です
とりあえず相棒を行けるところまで行かせ、ここで待ってもらうことに
相棒をズーム 奥に見える街は軽井沢の街だろうか?
相棒を止めた場所は高台となっていて、ここから見渡すと小串鉱山跡の主要な箇所が見渡せます
左手の遺跡のようなものが選鉱所(採掘された鉱石を砕いて選別するところ?)右手の丸い構造物は汚水処理に使われるシックナーか?
さて、この高台から下へと下りて周囲を調査するのだけど、地質が非常に脆く崩れやすく降りるのも一苦労します。ただ、この丘にはオフ車の降りた痕跡があったので自信があるものはチャレンジするのであろうか?僕はジェベルで降りると上がれそうにないので徒歩で下りました
下りて高台を見渡す 右手には相棒が見える
写真で見ると高さは差ほど感じられないが、実際は勾配がきつく高いです
斜面にはバケットの顔が見える ここまで来ると鉱山で使われていたものが多々見受けられてきます。
車両の残骸だろうか?
車輪
先ほど下ってきたジロー坂(九十九折の坂)を望む
ズームすると索道が見ます なにか幻想的ですね
同じ地点から左手を望む
ここを下ると不法投棄された車があった
怪獣に踏まれたかのようにぺしゃんこ
近くに建物跡(たしか事務所跡だったような...)があったので行ってみることに
中には入れそうにない
白い小便器だけが目に付いた
ここを後にして丘を上がっていく たしか丘は3段ほどあったと思われる
丘には建物の痕跡が残る
この小串鉱山は硫黄の採掘をしていて最盛期には2000人以上の人が働いていた。 それに伴い小学校、住居、神社など鉱山街が形成されていました。大正時代にこの小串鉱山が生まれ昭和の中期に閉山、42年間の事業に終止符を打った。
硫黄を採掘していた鉱山ともあり、それらしい鉱石も転がっています
丘の中段(2段目)には採掘した鉱石を製錬する精錬所があったと思われます
炉は解体済みで姿はありませんが、炉に使われたレンガ、製錬時にできる鉱滓などが辺りに散らばり荒野そのもの 草木は生えず空だけは広いそんな不思議な空間
残された煉瓦や鉱滓
建家の残骸だろうか?ぽつんとある丸太 僕は丸太に腰掛け一人この空間で考え込んでしまった
周囲を遮るものはなく、とても開放的で気持ちが良い。遠くまで見渡せる開放的な景色は素晴らしいのだが、それをも飲み込んでしまうこの殺伐とした土地。これは訪れたものにしか感じ取れない
本来ならば毛無峠の県境で引き返す予定だったけど、この小串鉱山跡地はイレギュラーな遭遇ともあり独自の雰囲気に僕は飲み込まれたみたいだ。 訪問先での予期せぬ発見ではこのようなことがあるから、やはりどこかへ行くということはやめられない。ただ、最近は僕自身、考え事や思うこともあってなかなか楽しめていないのも事実である 僕は丸太に座りそんなことを考えていたのだろうか?
さて、探索再開 多少の時間を消費して気がついた。喉が乾いた。 だが僕は飲み水を持ってきていない 困ったものだ
丸太から離れ下を見渡すと(三段丘の一番下段)そこにはかつて住居。病院、学校などが広がっていた街の跡がある
遠目からでもわかる建物の残骸や痕跡 下って調査をしようとしたけど、飲み水を忘れたことと僕自身の疲労でここは調査をしなかった。 記事を書いている今となってみればもったいない事をしたと思う。 この先には神社や遊具の痕跡があるらしい
丘の勾配はこのように急勾配 降りるのも一苦労だが上がるのはもっと難儀なのだ
この丘にもバケットが埋もれていた
そういえばここで思ったことが一つ なぜか青色の一升瓶の残骸やそのままの状態のものが良く目に入った。この鉱山が現役時代に事業に携わった方々が嗜んだモノだろうか?
丘の端にまとめられた遺留物
そういえば生活の感じるシロモノは、ここでしか見ていない気がするが...?
写真を撮っていてなにか後ろから視線らしいものを感じとる だれだ?
どうやら相棒だった
この地点からふと山側を見ると選鉱場跡が見える こう見ると遺跡のようだ
最終目標の選鉱場跡へ向かうのだけどこれまた道が険しいので多少迂回する形で、ぐるっと大回りしながら先へ向かう それにしても暑い 息も上がり喉もカラカラ
道中、トラックに遭遇
(´・ω・`)やあ
荷台のコーションプレート
運転席
ISUZU
距離を刻むことのないメーター
さらに進むと 電気関係の操作盤がお出迎え
サビがいい味を出していますね
もう少しで選鉱場だ! 右手にはシックナーが見える
リヤカーと選鉱場
脇にはファービーの元になりそうな物体が鎮座していた
そしてこの鉱山跡のメインの建物 ‘選鉱場’ へ到着
正面から
先程は遺跡と表現したけど、近くで見ると分厚いコンクリートでできていてまるで要塞のようだ
坑道へつながる抗口を覗くと流石に封印されていて、すぐに行き止まり
選鉱場を囲うコンクリートの壁
壁の内部
崩壊が激しく何時かは倒壊するだろ
上には抗口が見える
抗口目指して登ると二本足の木製の電柱がお出迎え
ここだけ柱が残っていて建物の形を思わせる所
ただ、枠に使われている木材に燃えた跡が見えたので火災でもあったのだろうか?
そして抗口へ
坑道はすぐに行き止まり
抗口から見る選鉱場建家
ジロー坂を見ると索道の支柱の跡が見える ここまで伸びていたのだろうか?
選鉱場上部にある 大きな壁
この壁には施工プレートがありました
昭和38年10月
破砕選鉱場
池原工業株式会社
さらに上り調査は終了
もう、喉はカラカラで今にも干からびそうだ
だがこの丘を上がり相棒まで行かなければならない
僕は渾身の力で丘を登るが息は上がるし何しろ喉が乾いた
さらば小串硫黄鉱山!!
このあとヘロヘロになりながら街まで下りコンビニでポカリスエットの900mlを飲み干したのは言うまでもない
探索される方は飲み水と食料をお忘れずに
あと、時期によっては霧が深くなると情報もあるので遭難する被害もあるそうなので注意が必要です。